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気になる数字をチェック! 19 『厚さ1.2nm(ナノメートル)画面保護』

Blog 2016年1月8日

昨今、スマートフォンやタブレットなどタッチパネルを使った機器が普及し、街中でも利用している人を多く見かけます。パネルに直接さわって操作するため、汚れ防止対策として樹脂製フィルムを使っている方も多いと思いますが、厚さわずか1.2nm(1ナノメートルは1ミリメートルの100万分の1)のフッ素化合物被膜によって保護する商品「CS1(Clean Screen 1)」が新たに発売されました。
この商品、北大ビジネス・スプリング(*1)の入居企業である(株)NAZCAと北海道大学の地球環境科学研究院・川口俊一准教授との共同研究によって開発されたことから、パッケージには「北海道大学と共同開発」の文字とともに、エンレイソウをかたどった北大のシンボルマークとロゴがプリントされています。(シンボルマーク&ロゴ使用認定商品)

商品パッケージ
商品パッケージ(画像提供:(株)NAZCA)

フッ素化合物による画面保護そのものは既存の技術であり、汚れが付きづらい、そして付いても落ちやすいという特徴があります。これまでは、自動車のフロントガラスの撥水コートのように単なる塗布で効果が長続きしないものか、反対に強度は出せるが数十億円の設備投資が必要な成膜方法しかなく、耐久性と手軽さで一長一短がありました。CS1は、同社が北大と共同開発した画期的な技術(特許出願中)により、誰にでもできる手軽な作業で、その双方を兼ね備えたことが大きなセールスポイントです。
使い方は本当に簡単。まず「Type A」と表示があるシートでパネル表面を拭いた後に、「Type C」のシートでフッ素化合物を塗布、最後に再度「A」で拭けば作業完了(もちろん素手で大丈夫)です。たったこれだけで、分子レベルの被膜が化学反応により形成され、数か月間は効果が保てるとのこと。保護フィルムは気泡が入って上手く貼れない、あるいはフィルムを貼ったことによるタッチパネルの反応低下に不満のある方は、是非お試しください。

キャプチャ
CS1の効果で画面上の水がはじかれる様子 (画像提供:(株)NAZCA)

ところで、どうして「Type B」シートが無いのでしょうか?
同社では、さらなる効果アップ(被膜強度の向上)を目指しBシートを開発中で、完成の暁にはA→B→Cの順で作業できるように命名したとか。また、さらに機能を付加する「D」や「E」といった開発構想もあるそうなので、北海道発の新たな技術として、乞うご期待。

(*1) 北大ビジネス・スプリングは、北海道大学構内に(独)中小企業基盤整備機構が設置したビジネスインキュベーション施設です。