北キャンレポート

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気になる数字をチェック! 第11回 『R値 = 12 ~ 18』

「R値」とは再生産数(Reproduction number)と呼ばれる数値で、これは、一人の患者さんが発症してから完治するまでに何人に病気が移るのか、つまり「病気の伝染力の強さ」を示します。代表的な病気のおおよそのR値を挙げてみると、インフルエンザは2~3、エイズは2~5 前後であると言われています。タイトルに示した12~18という大きな数値を示すのは、麻疹(いわゆる「はしか」)という病気で、罹った場合、高熱と咳、全身の発疹 (赤い水ぶくれ) を引き起こすものです。麻疹は患者さんの咳やくしゃみにより空気感染する能力が強く、他の病気と比較して伝染力が強い病気と言えます。

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さて、このR値はどのようにして算出するのでしょうか。もし、ある患者さんが麻疹にかかり、親しい人たちに移し、そこからさらに別の人たちに移し……と、感染が広がっていってしまった事例が発生したとします。麻疹は麻疹ウイルスと呼ばれるウイルスに感染することで引き起こされる病気です。ウイルスはヒトなど多くの生物と同じように遺伝子を持っていますので、詳細な検査によりウイルスの遺伝子を読み取ることで、病気を引き起こしているウイルスがどの人から移されたものなのか、足跡を追うことができます。つまり、多くの麻疹の事例について病気の広がり方を調べることで、麻疹の伝染力の強さであるR値を算出することができるのです。

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もしある病気のR値を1以下にすることができれば、現在の患者さんの治療を行うことで、患者さんの数を次第に減らしていくことができます。人に特定の病気への抵抗力をつけ、R値を下げるもっとも効果的な方法がワクチンです。マスクは、病気に罹っている患者さんが利用した場合は、周りの人へと移す可能性を抑えることが期待できますが、身につけているひと自身の病気の予防効果は低いと考えられています。一方、ワクチンをあらかじめ予防接種しておくことで、移す可能性に加え、自分の病気への抵抗力も上げることができます。チクっと痛くてゆううつなワクチン接種ですが、病気に罹らないためにも、罹った後に他の人に移さないためにも、ほんの少し我慢が必要です。

(平野 港・2014年度北海道大学CoSTEP本科生)

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